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姐 極道を愛した女 桐子のminamiのレビュー・感想・評価

姐 極道を愛した女 桐子(1993年製作の映画)
5.0
桐子(高橋ひとみ)は、二階堂組組長の二階堂(石橋蓮司)の妻。桐子は勇(豊原功補)と交際しており、お腹に子供もいたのだが、彼の服役中に無理やり二階堂の妻にされてしまう。

小賢しい性格で仁義のかけらもない二階堂。愛人をかこい桐子への愛情も無い。それでも組長の妻として勤めを果たし、忘れ形見の娘を大切に育てる桐子。そんな時に、勇が服役を終えて出所してくる。

二階堂、桐子、勇の愛憎が交錯しもつれ合う…といってもドロドロした感じではなく、感情を抑えた切ない演出に御三方の名演技が光ります。二階堂組幹部に菅田俊、大杉連、田口トモロヲ。抗争相手は白竜と、脇もこれまた豪華な布陣。

特に、菅田俊さん演じる陣が、勇にとって信頼のおけるアニキで、とてもカッコいい。この時期の菅田さんってスタイルもよくて外見も恰好良いんだけど、中身も、なんなら名前すら「ジンのアニキ」で、全てがかっこよかった…。勇に寄り添いつつも、結局組織には抗えず、何もできない中間管理職っぽい存在だったけど(あかんやん)、苦み走った渋く切ない表情が見られたので良かったです。

桐子も健気な乙女のような一面もありつつ、極妻としての凛々しさや凄みも感じられ、思わず応援したくなる女性でした。衝撃のラストシーンも私は好きです。高橋ひとみさんがとてもよかったです。
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