数十年ぶりに再見。やはり、面白い!と再確認した。
本作は、ラブコメの傑作であると同時に、宝くじ映画の傑作であるといっておく。
パリの下町に住む若い男女の生活風景が、とてもリアルに描かれている映画でもある。
日本の若い男女の同棲生活に限りなく近い感じなところに、非常にシンパシーを感じるのである。
本作は、パリの下町で質素に暮らす若い男女が主人公である。ある日、その若い男女は、宝くじで高額当選(80万フラン)したことにより、欣喜雀躍するが、、、。
男の方が、その高額当選の当たり券を現金に換金しに行く途中で、その当たり券を入れた財布を地下鉄の駅で紛失してしまい、、、。
というようなスジである。そこから、また色々あり、さてどうなるかという映画なのだが、もう最高に楽しい映画である。
後半には、アクションシーンまで登場する。w
本作は、いわゆるラブコメのお手本のような一本である。
そして、ジャック・ベッケルという監督の凄さがわかるはずである。
ジャック・ベッケルは、映画史的には、ほとんど話題に上らない監督ではなかったか?彼は、13本しか映画を監督していない。53才という若さで亡くなられているからでもある。日本でいえば、溝口健二のように夭逝した作家なのである。
しかし、彼の遺作『穴』にしても、本作にしても、凄い!見ればわかる!
ちなみに、ヌーヴェルヴァーグ監督のトリュフォーなどは、ベッケルを敬愛している。
ジャック・ベッケル、必見の映画作家の1人だと断言しておく。映画好きで、まだ、ベッケルの映画を見たことがない人がいたら、是非見てみてほしい。