生活の設計の作品情報・感想・評価

「生活の設計」に投稿された感想・評価

冒頭からして気が利いててユーモアがあってこの映画のすべてが詰まってました。ビッチなのですが、憎めないミリアム・ホプキンスが最高ですよ。感情移入を容易にさせない箱物としてのおもしろさがたまらないです。三角関係もルビッチにかかれば楽しいウィットに富んだコメディになります。
chiyo

chiyoの感想・評価

4.0
2015/8/9
何と言っても、ジルダ演じるミリアム・ホプキンスがすこぶる可愛い!貞操観念があまりなかったり、都合が悪くなったら逃げ出したりもするけれど、それでもビッチな印象を抱かせないのが凄い。そして、そんなジルダに振り回される、ジョージ演じるゲイリー・クーパーとトム演じるフレデリック・マーチ。どちらも男前で甲乙付け難いものの、長身でドタバタと投げ捨てた手紙を拾いに行く下りが好きなので、その分だけゲイリー・クーパーに軍配(笑)。そして、三人が出会うシーンのオシャレさ、全編を通しての軽妙な会話、コミカルな小道具使い、音だけで表現した宴会ブチ壊し等、印象に残る洗練されたシーンが多々。また、1930年代にも関わらず、二人の男性を同時に想う女性の姿を描き、生理痛という言葉を違和感なく使用している点は、さすがアメリカ!としか言いようがない。『突然炎のごとく』等の原点を垣間見た気がする。
南仏からパリへ向かう列車の個室で劇作家のトムと画家のジョージは広告デザイナーのジルダとたまたま一緒になり、意気投合。まだ売れていない二人の「芸術の母」として、ジルダは「No SEX!」を合言葉に同居しながら二人の成長を見守り、そのうち恋心も芽生え、微妙な三角関係へ。

そしてそれぞれが名前も売れだした頃、ジルダの上司も絡んで愛のない結婚へ踏み出そうとするのだが…。滑らかな横移動の撮影、省略をきかせた演出に丁々発止のセリフのやりとり、二転三転する艶笑コメディで、こちらもさすがルビッチと唸らせられる作品です。原作はノエル・カワードによる戯曲。
Ricola

Ricolaの感想・評価

4.4
ルビッチのお洒落で、技の効いた上品な三角関係ラブコメディ。

こんなに綺麗事ではないのに後味も良い、極上の作品を作ったルビッチは本当にすごいなあと改めて思わされた。 


まず冒頭の列車の中のシーンで心を鷲掴みにされた。
サイレント映画並みに、いやそれ以上に音に頼らずに状況を説明する演出が洒落ている。  
フランス語で会話していたがOh nuts
でアメリカ人だとわかり、アメリカ国歌を歌い出すというのもかわいい。


一歩間違えれば魔性の女にも思えるこの女性との三角関係だが、なぜか上品でむしろ正当だと思わされる。

「男の人に普通起こるようなことが女の私にも起こったの」
複数の相手を同時に愛することは、女にもあるのではと。
そしてこの女性は今で言うあげまんなのだろう。
彼女がキャラクターとして魅力的なのは、その点が1番の要因な気がする。 

そして二人の芸術家の男が正反対の性格であるというのも、彼女がどちらも捨てがたいというのがわかる。 
彼女が二人に「紳士協定」を提案しに家を訪れたとき、彼女の気を引く方法からも性格が出ている。

結局は彼ら自身が納得していて周りに迷惑をかけなければいいよね、とでも言いたげな作品。
80年も前にそんな自由なメッセージが謳われていることに感激。

全体的に笑える箇所が多く、明るくて優しい作風にも癒やされた。
ルビッチ・タッチ!
2015/04/25 ~ 2015/05/15
pier

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3.6
男2人と女1人の三角関係コメディ。
彼らの紳士協定ほど、いい加減なものはない。
三四郎

三四郎の感想・評価

2.5
笑えない…ルビッチュ作品にいつも笑えない!ベッドに倒れるたびホコリが立つ!彼女が「先生」になってからベッドのホコリが立たなくなる。芸術家には女性と清潔さが大切ということか?違うよな。紳士協定を結ぶが「私は紳士になれなかった」と友がいない間に関係を結ぶ。その後を想像させるようにフェード・アウト…というエロチックさ。夜の出来事は全てフェード・アウトにしてその雰囲気だけ感じさせる。ディゾルブも多用している。
ジルダはジョージにもトムにもベッドの上に横たわり同じ仕種で誘惑する。
初夜にうまくいかなくて男が部屋から出てきて花瓶を蹴っ飛ばす。淀川長治さんがしばしば話すエロチックな話はこの映画のワンシーンだったのか。ジルダが自分が蹴り飛ばしておきながら再び花を拾い砂を花瓶に入れるところで気づいた。そして淀川さんの言った場面を待っていると、やはり思った通りのシーンが出てきた。扉だけを映し夜から朝になった場面を光の明暗だけで示している。思わず朝になって男が出て来て花瓶を蹴っ飛ばすのを期待して見ていた笑
夏夢川

夏夢川の感想・評価

4.0
塩野七瀬さん著「人びとのかたち」に取り上げられていて、気になり視聴。

・洗練されているのにとってもコミカルで、楽しい映画だった。
エルンスト・ルビッチ監督が、3マタかける女を中心に、二人の男どうしの友情も描いた軽妙な物語。

ある汽車の中で、二人の男が眠っている。
そこに女が入ってきて、二人の寝顔を模写する。
男二人が起きると、今度は女が眠っていて、画帳が落ちていたので見てみると、自分たちのダラシない寝顔が描かれている(笑) 
この女はジルダ(ミリアム・ホプキンス)であり、二人の男は11年に亘って共同生活してる売れない画家(ゲイリー・クーパー)と売れない劇作家(フレドリック・マーチ)であった。
そして、2人の男が1人の女ジルダを好きになってしまうが、三人で協定を結ぶ。
ジルダの「セックス抜きでね」という言葉とともに。
このジルダは、ある実業家ともイイ仲になっており、2人との「セックス抜きでね」という事も無くなって、実業家と結婚してしまうのだが……という展開で物語は続くが、3マタかけた女であったも下品にならずにオシャレに見せてしまうあたりはルビッチ・タッチの絶妙なところ。

観終わって、心がウキウキするような楽しさを持たせてくれるエルンスト・ルビッチ監督。

さすがである。傑作!
タイプライターの音が鳴れば、愛が始まるんですね……。
電車と車の位置関係が素晴らしい。渡される脚、男2人の接触、対面する女。並ぶ3人。
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