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スパイ・ゲームのTenKasSのレビュー・感想・評価

スパイ・ゲーム(2001年製作の映画)
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マジでトニー・スコットはいくらでも飲める美味い酒みたいな映画しか撮ってないのではないか。

引退するベテランが、一度死んだ息子同然のスパイを秘密裏に救出、生き返らせる映画。基本的には回想が主体の映画はかったるくなりがちだが、この擬似親子関係の間にある粋な言葉遊び(ディナーアウト作戦)や、レッドフォードが秘密裏に進める作戦のサスペンス、動き回るカメラで退屈しない。そもそも回想シーンが世界各国飛び回るので派手だ。

(俳優が屋上に立ち、そこを空撮でグルグルと動き回るカメラが捉えるという画面を観ると物凄いノスタルジーに襲われる…。めちゃくちゃ2000年代という感じがする。)

だいたい任務のための単なるゲームの駒としてしか部下のことも情報提供者のこともみていなかったレッドフォードが、自身の全てを賭けて、私的な目的のために動いた、ただ一人を助けるため、組織(ひいては国際情勢)それ自体を相手にこれまた私的なゲームを仕掛けるという構造それ自体が既に面白いのだから、もはや映画それ自体が面白いということで…。
やっぱり「面白い」で終わりでいい。
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