このレビューはネタバレを含みます
観終われば「アニマルキングダム」のタイトルがピッタリくる。犯罪劇ながらアクションに頼らずに張りつめた空気が作られていて目が離せない。死にゆく母の横でTVのクイズ番組を眺める主人公は序盤から何を考えているのかが分かりにくく不気味だったが、頼れるのが犯罪者の親類だけで逃げ場のない主人公は感情を見せないことで生き延びようとしているように見えた。
新たな居場所を見つけることが出来なかった主人公はラストでポープ伯父さんを殺し居場所を自ら作り出す。「ウィンターズ・ボーン」と併せて観たい犯罪映画の傑作。