このレビューはネタバレを含みます
六つの教訓シリーズ3作目
4作品目に鑑賞したけど、シリーズ途中でベストと言うのはばかられたので6作コンプしてからと思いレビューを後回しにしていました。
ストーリーは例のごとく二人の女の間で揺れる男性の構図。モノクロの美しさはもとより、教会、確率論の哲学談話、貞操観念の強いカトリック教徒の主人公。無神論のブルネット美女とカトリックのブロンド美女の対比、等、モチーフが色々魅力的で刺さった。
全体のトーンはとても落ち着いた雰囲気なんだけど、寝るか寝ないかのモード家での一夜の駆け引きも含め、恋愛を論理的、合理的に処理しようとする(できてないんだけど)主人公には滑稽さを感じた。
人生は無意味だと言う方に90%、意味がある方に10%の確率があるとしたら、10%に賭けるんだ、そのほうが良い人生になるから。(正確ではないけど)そのようなことを登場人物が話す。このセリフにロメール作品の真髄があるように思えた。
教訓シリーズでは間違いなくベストです。