まめだいふく

輝きの大地のまめだいふくのレビュー・感想・評価

輝きの大地(1995年製作の映画)
3.0
 完全自己満足でお送りする不定期企画『レビュー0件映画を鑑賞してみた』
 これはFilmarks内で未だレビュー投稿のない作品をあえて鑑賞し、レビューを書いてみようじゃないかという、無謀かつ誰得な企画です。

 とりあえずのルールとして、Markされていても、レビュー欄が空欄だったり、あったとしても「記録」や「過去鑑賞」のような、レビューとは言い難い内容の書き込みもレビュー無しとみなします。

 さて、今回鑑賞した作品は……
 『輝きの大地』 LDで鑑賞
 1995年 アメリカ、南アフリカ  ドラマ   先客10名様

 「泣くがよい 最愛の国よ」

 1946年の南アフリカ。僻地の村で牧師をしているクマロのもとに、ヨハネスブルグから手紙が届く。内容は、ヨハネスブルグに住んでいる妹が病に伏せているとの内容であった。
 ヨハネスブルグは、実はクマロの息子が消息を絶った地でもある。彼は妹に会いに、そして行方不明の息子を探しにヨハネスブルグに赴くが、そこで待っていたのは殺人罪で死刑を言い渡されていた息子であった。被害者は白人でありながら黒人の味方であるアーサーという活動家。そしてアーサーの父親はクマロと同郷の農場主ジャービスであった。
 黒人と白人、加害者の父と被害者の父、それぞれ、決して相容れるはずのない立場の二人が出会い、そして……。

 ダレル・ジェームズ・ルート監督が製作のアナン・シンとともに6年もの歳月をかけて完成させたヒューマンドラマ。主演はダース・ベイダーの声でお馴染みのジェームズ・アール・ジョーンズ。
 人種差別や、貧困などの社会問題を取り上げながら、わが子が殺人者となってしまった親の苦悩、わが子を殺された親の憎悪、子の罪は親の罪か、互いに赦し赦され、新たな一歩を踏み出せるのか、と言った深い人間ドラマが描かれる。
 クマロとジャービスの気持ちは、正直それぞれの立場になってみないとわからない。クマロに至っては、自分が牧師であるがゆえに尚更複雑な心情だろうし。
 また、クマロの妹の境遇もつらいものがあった。この時代に黒人の若い女性が生きていくことの過酷さを思い知らされた。
 そしてラストシーンは何とも言えない哀愁を漂わせる。

 思ったより淡々と進む作品ではあったけど、いろいろと大いに考えさせられるドラマであった。

 エンドロールで曲がれる歌が物悲しくも美しく、なんだか『ロード・オブ・ザ・リング』っぽいなと思ったら、やっぱりエンヤが歌ってた。『EXILE』という曲名らしい。

 どうでもいいけど、「えんや」と入力して変換すると「塩谷」になるの勘弁してくれ。
まめだいふく

まめだいふく