かげ

秋日和のかげのレビュー・感想・評価

秋日和(1960年製作の映画)
4.2
未亡人(原節子)とその娘(司葉子)の結婚の話(い つ も の)

 他の小津作品よりも主要登場人物の家庭をそれぞれ描いていたりして群像劇のような感じもある。

 原節子の死んだ夫の旧友の面白親父3人組が無駄に結婚話を混乱させるが、それがなんともおかしい。特にパイプをもらってくる件が最高すぎる。そこにチャキチャキの江戸っ子で娘の親友(岡田茉莉子)も加わってくるのだから堪らない。

他の小津作品でも見られる佐分利信の自然な笑顔とか岡田茉莉子のさっぱりしたセリフの気持ち良さ、嫌味だけどいやらしく無い中村伸郎の雰囲気とかすっかりファンになっちまったなあ。

 タイトルについて・・・秋日和はさわやかな秋の晴れの日を指す言葉、ただ映画に出てくる雲ひとつない天気はあまりにも澄んでいて空っぽで、母親としての責務を果たした清々しさと寂しさの意味があるのかなあ。
かげ

かげ