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私は「うつ依存症」の女のバロウズのレビュー・感想・評価

私は「うつ依存症」の女(2001年製作の映画)
3.5
「精神科医は抗うつ薬を売り捌くドラッグディーラー」というセリフが印象に残る。
原題は「Prozac Nation」抗うつ薬大国とかいう意味合いでしょうか。今や日本も同じようなもんですね。
かつてアメリカで大流行した「プロザック」という抗うつ薬をテーマに、精神病を抱える主人公の葛藤を綴った自伝小説を映画化した作品。
このプロザックとかSSRIと呼ばれる抗うつ薬について事前知識があるかどうかで大きく見方が変わってくる作品だと感じました。
邦題だとどうしても精神病に苦しむ女性の安っぽいヒューマンドラマにしか思えませんが、想像した以上に社会派な内容です。

「簡単に社交的になれる」とか「髪の毛を染めるように性格を変えられる」とか銘打って鬱でもない人に抗うつ薬を売りつける製薬会社のやり方には疑問を感じますが、
一方でこの薬のおかげでうつ病を乗り越えることができた人がいるのも事実で(原作者もその一人)、良い悪いを一概に判断できないのも難しい所ですね。
ただ抗うつ薬が蔓延していくラストシーンを見るとただならぬ不安を感じさせるのも事実。

クリスティーナリッチをはじめとする俳優陣の演技も素晴らしい物で、うつ病や双極性障害などの精神疾患、抗うつ薬への理解を深める事ができる映画になっています。
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