このレビューはネタバレを含みます
自宅で。
2010年のアメリカの作品。
監督は「アドレナリン2」のマーク・ネヴェルダインとブライアン・テイラー。
あらすじ
2034年、天才ゲームクリエイターのキャッスル(マイケル・ C・ホール「月影の下で」)が開発したオンラインゲーム「スレイヤーズ」では脳手術を施された囚人たちが日夜ゲームプレイヤーたちに遠隔操作され、死闘を繰り広げられていた。無実の罪で投獄されたケーブル(ジェラルド・バトラー「CHASE 猛追」)は30回勝ち抜けば釈放という条件の元、戦闘に身を投じていくのだが…。
俺自身ゲーマーなので、公開時にタイトルである「GAMER」というそのまんまなタイトルに惹かれてずっと気になっていて、ようやくU-NEXTにて鑑賞。
うーん、評価通りというかなんというか…微妙でした。
お話はあらすじの通り、あるゲームが空前のブームを巻き起こしている世界。
そのゲームってのが「スレイヤーズ」っていうゲームなんだけど、仮想空間のアバターをそのアバターになり切って動かすことができるという、何十年か後に現実でも実装されそうな夢のゲームなんだけど、このゲームがまぁ無法地帯でアバターたちがパイ乙剥き出しで踊りまくったり、ディープなKISSをしまくったりしてるんだけど、現実世界ではマッパの肥満男がゲーム上では美女になりきって(いわゆるネカマ)、ゲーム上のイケメン(現実では多分同じような醜悪な肥満女)とSEXを繰り広げたりと年齢指定なんぞそれ?ってくらいなんでもあり。
で、もう一つの側面としてバトルゲームがあるんだけど、そこでは現実世界の囚人たちをアバターにしてFPSゲームが如く激しい銃撃戦を繰り広げる。もちろんゲーム上での死は=現実での死であり、脳漿飛び散りまくりでかなりエグい戦闘を日夜繰り広げている。
ただ、囚人たちにも僅かな希望があり、それが30回勝ち抜けば釈放されるという点。で、主人公のバトラー演じるケーブルはその30回を勝ち抜くために頑張るって感じなんだけど…。
まぁ、なんか観る側の求めているものってシュワルツェネッガー主演の「バトルランナー」みたいな大味SFアクションみたいなものを想像するじゃないですか?これがなんつーかイマイチこのスレイヤーズっていうゲーム自体のサバイバルに焦点が合わないというか…なんかとっ散らかってる印象。要は最終的にゲームクリエイターで黒幕であるキャッスルを倒す流れに入るんだけど、そこに至るまでのスレイヤーズでのゲームプレイ描写が割と少なくて、その代わりにケーブルの過去話だったり、あんまり強くもない敵と戦ったりといや、観たいのそこじゃないんよねーっていう描写が多すぎ。
ただ、唯一スレイヤーズの描写で良かったのが、ケーブルがゲーム上では使えない車を無理やり持ち込んだ酒をぐびぐび飲んで体内に入れた後、それを無理やり吐いて、なおかつアルコールが注入されたおしっこをガソリンに無理やり発車させて地獄のドライブを繰り広げるシーン。
ここは、あのマリリン・マンソンの「Sweet Dream」の音楽使いがめちゃくちゃ素晴らしくて、シーンとしてもアガりまくるシーンとなっていて良かった。
この曲、別映画の「タイタンの逆襲」でも下手したら本編以上によくできた予告で使われていて印象に残ってたけど、ここだけは神ってたなぁ。
あと、このケーブル、どうやら生き別れた奥さん(アンバー・ヴァレッタ「ダブル・ミッション」)と娘ちゃんがいるんだけど、なんとその奥さんってのが上述の肥満男が使ってた美女!!ゲーム上では人権無視のビッチファッションでAVのマネキンの如くいいようにされてしまうんだけど、描写として後からわかってみるとめちゃくちゃ悲惨で可愛そうだよなぁ…。
そんな感じでかなり微妙な映画だけど、他にもキャッスルとのシーンで何故かクラシックな曲調に合わせて踊るミュージカルシーンでバトルが始まったりと「アドレナリン2」の監督コンビらしい、おっ!と言わせるシーンもあって、まぁめちゃくちゃつまらないってわけじゃないので、興味のある方は是非。ただゲーマー要素はあまり期待しない方がいいかも。