みおこし

バードのみおこしのレビュー・感想・評価

バード(1988年製作の映画)
3.4
伝説のジャズサックス奏者、チャーリー・パーカー。大のジャズファンとして知られるクリント・イーストウッドが、彼の短い生涯を映画化した一本。

恵まれない家庭環境に育ち、長きに渡る苦労を経て、ニューヨークのジャズシーンで成功を収めるようになったバードことチャーリー。ダンサーのチャンと恋に落ち、幸せなひと時を迎えるが、常に過去の暗い記憶やアーティストとしての重圧が彼を苦しめるのだった...。

偉人の伝記ものって、ドラッグや愛人との関係などのトラブルが大抵つきまとってきますが、本作もどんどんチャーリーが身を滅ぼしていってしまうのがもう痛々しくて...。ブルージーでとにかくクールな曲が多いチャーリー・パーカーですが、本作を見ると素晴らしい楽曲を作る裏側で、苦悩していたんだなと悲しくなってしまいました。何度も更生するタイミングはあったはずなのに、最終的にあんな淋しい終わり方を迎えてしまったと思うと本当に彼の人生が偲ばれます。

ちょっとだけ長すぎる気がしましたが...。もう本人にしか見えないくらいのなりきりぶりのフォレスト・ウィテカー。彼の名演技と、ジャズ好きのクリント・イーストウッド監督ならではの演出で極上のジャズ映画になっています。
ジャズ好きは必見の一本!
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