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悪魔のいけにえのhasseのレビュー・感想・評価

悪魔のいけにえ(1974年製作の映画)
3.1
演出4
演技2
脚本3
撮影4
照明4
音楽-
音響3
インスピレーション2
好み3

◆「じいさま以上の名人はいない。必ず一撃で牛を殺した。5分間で60頭殺したことも。もっと牛が早く運ばれりゃ、60頭以上殺せたはずだ」ドレイトン・ソーヤー

引き伸ばされた16mmフィルムのざらつき、劇判なし、冒頭の「これは真実に基づく物語~」のテロップ等の演出が生むリアリズムと、ソーヤー家のおびただしい骨肉に溢れたグロテスクな表現のコントラスト、混交具合が独創的だ(16mmフィルムや音楽の件は低予算によるものとはいえ)。

しかし犠牲者の三人目までが消化試合感が否めないというか、もう少しクライマックスに絡んでも良かったかも。

あと「ナイフが消えた」くだりは後々生かされず消化不良。結局女の子が持っていて、それに途中で気付いて、隙をついてソーヤー家に反逆し脱出……でもありだったのでは。

ただ、上の展開をやるとアクションやスリラー要素が増してしまう。狂人が普通の人間を残虐に殺戮することに重きを置くスプラッター映画にとってはさして重要ではないとも言える。
個人的には最近観たマリオ・バーヴァ『血みどろの入江』の方がストーリーと殺人描写共に好みだった。
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