カラン

悪魔のいけにえのカランのレビュー・感想・評価

悪魔のいけにえ(1974年製作の映画)
4.5
爆音映画祭

『悪魔のいけにえ』は、黒沢清氏によれば、「生々しく」かつ「品格がある」とのこと。そして奇跡的な「偶然」が、この「サイコホラー」の金字塔を生み出したらしい。サイコホラーとはヒッチコックの『サイコ』Psychoの意味である。『悪魔のいけにえ』は『サイコ』を意識しているに違いない。なぜなら同じエド・ゲイン事件を題材にしているからだ、と黒沢氏。

こんな感じのことを言っていたと思う。上映前のトークだから、突っ込んだ話しは避けたらしい。
爆音のディレクター氏も黒沢氏も、たくさん映画を作って、たくさん爆音の企画でやってほしい。モノラル録音をデジタル7.1chで流した効果はしかと受け止めた。神経に触る高音と禍々しいチェーンソーの低音は、私のように若い頃に感性を開拓しきれなかった人間にも、リアルタイムで受け止めていた人たちの感動を知るよすがとなった。

ホラーに関しては、まったく弱く、若い頃に避けて通ったせいか、感性がないのが自分でもわかって悲しい。ただ感性は鍛えるものというのがモットーなので、懲りずにトライしたい。

チェーンソーを振り回して、暗闇の雑木林の中、女の子を追いかけ回すのは怖かった。ただ、日本の作品も負けてないのではないか。例えば野村芳太郎の『八つ墓村』で桜吹雪の中を刀を持って駆けていく山崎努はだいぶ怖い。武器は持ってないが、鍾乳洞の中を追いかけてくる小川真由美もかなり怖い。

私のような素人には、オープニングの赤と、朝焼けの中でレザーフェイスがチェーンソーの爆音で踊るように、凶器を振り回しているシーンが美しかった。

映画館が、映画好きなんで〜すという様子の人で溢れているのを見るのは楽しい。年齢層はだいぶ高めだと思った。これからも、爆音映画祭に通おうっと。




☆後記
思い出すにつけ、面白かったな、と。点数アップ!
カラン

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