たてぃ

ふたりのトスカーナのたてぃのレビュー・感想・評価

ふたりのトスカーナ(2000年製作の映画)
3.8
「やがて来たる者へ」と似ている第二次世界大戦時のイタリアが舞台の作品でした。ただ、こちらの方がスリルとナチス親衛隊SSの残酷さは少なめな一方、家族愛は多めです。それでも実話ベースと知ると悲しくなりました…

第二次世界大戦中でファシスト政権下のイタリア、両親が亡くなった二人姉妹がトスカーナ地方(イタリア中部)の伯父と伯母に引き取られ、少しずつ愛を深めていくお話。そしてファシスト政権が崩壊し平和が訪れるかと思いきや、今度はナチスドイツ軍がローマから撤退し、彼らの住む街へ来る所から生活は一変…

前半の家族愛が長いためダラけるかもしれませんが、後半のハラハラ感のある展開は見ものでした。特に、伯父の家族が一体何者?と想像しながら観ていくと、伏線がちょこちょこ出ます。
・伯父と親戚がドイツ語で会話
・伯父が教会に行かない
・ナチスドイツ陸軍が街へ押し寄せるとともに伯父の従兄弟がスイスへ逃亡
・親衛隊SSの軍服を着た隊員が陸軍の将軍のもとへ訪れる
これを読み取ることにより、「まさか…」と嫌な予感が…そして…
あとは、ナチスドイツ陸軍とナチス親衛隊SSの区別が出来れば見方が変わると思います。(ヒントは制服)

「やがて来たる者へ」、「サン★ロレンツォの夜」同様、少女の視点で描かれた第二次世界大戦時のイタリアでの悲劇でした…
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