rage30

セルラーのrage30のレビュー・感想・評価

セルラー(2004年製作の映画)
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誘拐された女性からの電話を受け取ってしまう男の話。

映画の開始10分で誘拐事件が起こる、異常なテンポの良さに驚きつつも、そこからはノンストップで事件が進行。

“携帯電話あるある”なトラブルの数々には感心させられるし、電話を受け取るのがチャラい若者というのも面白い。
犯罪サスペンスでありながらも、どこか明るく軽快な雰囲気があるのは、本作の大きな魅力と言えるだろう。

また、敵役となる誘拐犯も、中盤で正体が明らかにされるのだが、これが良い刺激となって中弛みを防ぎ、映画に新たなスリルをもたらしていく。
その他にも、上腕部の血管を切るという妙なリアリティー描写であったり、元恋人の意外なタイミングでの再登場だったりと、脚本の出来の良さは総じて感じさせるところだった。

あとは、今となっては、超豪華なキャスティングも注目すべき部分。
キム・ベイシンガーやウィリアム・H・メイシーといったベテランに加え、若手時代のクリス・エヴァンスやジェイソン・ステイサムも登場。
クリス・エヴァンスの好演は、これがマーベルに気に入られるキッカケになった様にも思えるし、珍しく活躍するウィリアム・H・メイシーが見れたのも嬉しかった。
「ウィリアム・H・メイシー 対 ジェイソン・ステイサム」という夢のマッチメイクは、今後2度と見る事はあるまい。笑

余計な人間描写等はカットしつつ、サスペンスを盛り上げるアイディアだけを大量に盛り込む…。
「これぞ、ジャンル映画!」な特化した作りが、なかなか好ましい作品だった。
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