スポ根→サイコサスペンスな怪作。
日活を干されるキッカケになった『殺しの烙印』と清順の代表作とも言える浪漫三部作の間にある為扱いが良くなく地味な作品だがこれはこれで相当イカれてて面白い。
『ツィゴイネルワイゼン』でもあったけどほぼ同じカットを立て続けに重ねる手法で頭がバグる。今作はそれを連発してくるのでかなり酔った。これ何目的なんだかさっぱり分からなくて怖い。
前半はスポ根ものだが後半一転してサイコ女にれい子も映画自体も支配される。
目的もよく分からないしなんだか『マザー!』みたいことになってる。『マザー!』めっちゃ嫌いだしどうでもいいんだけどこの作品が元ネタの1つなんじゃなかろうか。
上記のバグってるカット割りしかり鈴木清順らしさ全開の色使いがインパクト大。
2人のセックスシーンのライティングとかなんだあれ。
『殺しの烙印』で干されて10年振りの新作がコレって鈴木清順はやっぱりやばいぜ。
現代劇だが浪漫三部作の片鱗が見え隠れしているぜ。