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ストリート・オブ・ファイヤーのhasseのレビュー・感想・評価

4.3
1980年代のロックミュージック系映画。冒頭からテンポのよいロックをBGMに、雨に濡れてネオンを反射するアスファルトから、ライブハウスへのティルトショットで心をわしづかみにされた。そこからカリスマ歌手に扮したダイアン・レインがまるっと一曲熱唱。ダイジェストじゃなくて、まるでロックライブのドキュメンタリーのようなカメラワークで一曲収めきるのが非常にポイント高い。音楽への信頼感、リスペクトが強く感じられる。音楽を映像の脇役ではなく、もう一人の主人公としてのポジションに任命し、それをカメラに収めようとするスタンス。

ストーリーとしては風来坊が愛する女性のために悪人を倒してまた去っていく、勧善懲悪型西部劇。厚みや深みはないが、音楽に彩られた作劇や若干の世紀末感を漂わせた町の景観が合わさって独特の世界観を構築している。

主人公トムを演じるマイケル・パレがカッコよすぎる。ロングコートをまとってライフル銃を肩にかつぎ、ギラギラした眼光で相手を威圧する。感情のない冷酷野郎と勘違いされやすいが、実は心優しい男。中高生の時に観てたらヤバかった、絶対仕草とか真似しちゃってた。。。

元軍人のプー太郎女性マッコイのワンコ感も好き。トムの人柄に惚れ(異性としてというよりバディ的な)、「俺にも仕事をくれよ!何でもやるぜ!」とくっついてくる。ビリー含めた急造エレン奪還チーム3人がオープンカーで敵アジトに向かうショットはワクワクするし、ラストで町を立ち去るトムの相棒に収まるのも可愛げがある。
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