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別離のaaayndのレビュー・感想・評価

別離(2011年製作の映画)
4.5
決定的な悪意を持って行動している人は誰もいないのに、どんどん悪い方向へ事態が転がっていく。どこで歯車が狂ってしまったのだろうと終始考えながら観ていた。
観る者はそれぞれの人物の事情を知っており展開も予測できるだけに、登場人物の最適とはいえない言動に歯がゆさを覚える。現実世界でも、各当事者が自分に見えていない事情を想像することなく一方的に行動することによって、誰も望まないのに最悪の事態を招いてしまうことは日々起こりうることであり恐ろしさを感じた。

音楽にもドラマチックな展開にも頼ることなく淡々と描いているが、人物の視線の動きや表情を丁寧に追うことで印象的な映像を作り出していた。
良い映画を観た。
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