橋

TATSUMI マンガに革命を起こした男の橋のレビュー・感想・評価

3.5
恥ずかしながら辰巳ヨシヒロさんを鑑賞まで存じておらず。
ライトなアニメ映画かと思い、お昼ご飯を食べながら鑑賞。

おいおい・・・
めちゃくちゃヘビーじゃん・・・。

漫画家・辰巳ヨシヒロさんの半生と、彼のこれまでの作品を交互に交えながら進行していくオムニバス的な映画。

特に一作目の短編として登場する広島の原子爆弾にまつわる物語の「地獄」。
ご飯の進まないのなんのこの。
今年は私生活もばたばたしていて、うっかり「あー昨日が広島の日だったな」「あれ?今日が長崎だっけ?」と原子爆弾投下日を”なんとなく”で過ごしてしまった私にとって突き刺さるものだった。
人間は忘れてしまうからこそ、辰巳のような人の作品で原子爆弾の驚異を語り継がなければならない。終戦記念日にはまだ間に合うから、なんとなくで過ごさないようにしよう・・・。

ほか作品では「男一発」すきかなあ。
英題が「JUST A MAN」というのは秀逸。

恥ずかしながら「劇画」という文化を知らずにこれまで過ごしてきたが、非常に興味深いジャンル。

ウィキペディアによると(以下引用)
劇画は「重く」「暑苦しい」ものとして若者らから敬遠されるようになり、それまで人気を誇っていた劇画雑誌は1970年代中頃より急激に部数を落としていった。ヤングコミックの編集者であった岡崎英生によると劇画雑誌の衰退は、三流劇画誌(エロ劇画誌)の流行や、1979年(昭和54年)6月に創刊された「週刊ヤングジャンプ」(集英社)や1980年7月に創刊の「週刊ヤングマガジン」(講談社)といった新しい青年漫画雑誌の影響が大きいとしている。

とのこと。

ほえーそこでヤンジャン、ヤンマガでてくるの。
おもしろいもんですね。
漫画のながれや風潮も、いつか私が学生時代に学んだ現代文の歴史みたいな感じで語り継がれていくもんなんかね。

話はそれましたが、とくかく良作であった。

エンドロールで「なんでこんなに制作に外国名が多いんだ?」と疑問に。
その後シンガポール映画だと理解した。

おいおい、日本なにやってんだ。
橋