TATSUMI マンガに革命を起こした男の作品情報・感想・評価

「TATSUMI マンガに革命を起こした男」に投稿された感想・評価

へい

へいの感想・評価

5.0
辰巳ヨシヒロさんの原作を基にしたアニメと半生が交互に描かれる。

恥ずかしながら、彼が劇画の第一人者で偉大な人物であることを初めて知った。
彼のナレーションで半生が語られるが、人生経験から人間のやり切れなさ、孤独さ、どうしようもなさを表現していると思う。
あと、めちゃくちゃ優しい声。

物語は、定年退職の話とグッドバイが特に好きだった。人間の闇を映し出しているけど、それが人間だろ?それでいいんじゃないかな?って肯定してくれる。
本屋でのシーンからラストにかけては涙が漏れた。
mas

masの感想・評価

4.6
辰巳さんを知らずに見たがおもしろかった。こういう漫画が動くアニメーション大好きなのでたまらなかった。漫画の内容おもったよりエグくて漫画読みたいと思った笑。
劇画の生みの親
辰巳ヨシヒロの半生を
自身の作品をオムニバス形式で挟み込みながら描く。間の作品がとにかく暗い!
なのに何とも言えない味があって
引き込まれてしまうから凄い…。
超大人漫画ムービー。
しかも監督が外人!!
漫画界のレジェンドすごい。
劇画の生みの親 辰巳ヨシヒロの半生を自身の作品を挟み込みつつアニメで再現。

寡聞ながら初めて辰巳ヨシヒロという漫画家を知って興味深く観られた。
人生を振り返る間に短編の作品を挟み込むことによって作風を知ることができて良かった。

日本の漫画史はどうしても手塚治虫という天才を中心に語られがちで同時代を生きた漫画家たちも手塚フィルターを通して描かれることが多いのでこういう作品は有難い。

これが日本ではなくシンガポールの監督によって映画化されカンヌ映画祭に選出されたのは嬉しさと悔しさが半々。

藤子不二雄の「まんが道」で光り輝く神の様に描かれていた手塚治虫だが今作でも仏の様な描写でやはり同時代人にとっての手塚治虫の存在は凄いのだなと再確認。

別所哲也が全てのキャラクターの吹替をするという力業に驚いた。
何時だったか、
まさにこの映画が上映されますというポスターの下に置いてあった山積みの漫画本がこれでしたな。
劇画という言葉を作ったという事らしいのでどれどれと買って読んでみたら重たく哀しい、
虚しい話が多々収録されてましたな。
嫌いじゃないぜ、
こういうの。
というのが感想でしたない。
あれから早何年、
いやむしろ10年経ったか経たぬかの今日、
huluにて視聴。
大いに間が空いたがここで再会したという個人的な感動がありましたとさ。
内容は作者さんの自叙伝的な感じのアレに動く漫画的なアレで漫画が何篇か入ってるアレでした。
映画の〆に作者本人がなんかを描きつつまだまだ書きたい世界があるとおっしゃってましたがぐぐってwikiを見たら2015年にお亡くなり。
なんとまあそんな感じに。
これをシンガポールの監督さんが作ったってんだからそこも面白いですよね。
見ようッタツミ!
漫画もいいぞ!
劇画という言葉を生み出した漫画家
「辰巳ヨシヒロ」映画を観るまで知らなかったけど、独特のタッチ、生々しく切ないストーリーがクセになる。
よー

よーの感想・評価

4.0
2014年12月3日, 1時26分
「TATSUMI」を観てきた。
“劇画”という言葉の名付け親である漫画家、辰巳ヨシヒロ先生の自伝的漫画の映画化である。
漫画のアニメ化、映画化は今時珍しいものではない。
しかしこの作品、アニメーション映画 と言うにはいい意味で逸脱が過ぎる、“動く漫画映画”なのである。
もはや新ジャンルのように思えた。

きれいじゃないものの輪郭線をとらえていくことで劇画は出来上がる。
きれいなものよりもそうじゃないものの方が多い世の中だ、なんだか背後をとられたような、そうしたリアリティがそこにはある。
未来ある子供には少々残酷だが、特に作中に挿し込まれている「グッドバイ」や「男一発」には、グッとくるものがあった。
絆や繋がりを意味する性が、反面裏切りや決別の大きなキーともなりうること。
性への執着は、単に快楽から来るものだけではないということを、パンパンや初老の人から学んだ。



スクリーンはおじいさんとわたしとで二人占めだった。
辰巳ヨシヒロは75歳、見た感じおじいさんも同世代だろう。
貧困の少年時代や戦争の描写含め、わたしには多くが真新しく映ったが、このおじいさんにはどんなふうに見えていたんだろう。
なんてこともちょっと気になった。
のん

のんの感想・評価

3.0

ドラマ性のある大人の読み物としての“劇画”誕生に寄与した漫画家の半生を、本人の短編と絡めながら綴っている。

作品を読んだことなかったので、短編は衝撃的でした。なんとも力強く生々しい。
戦後昭和史としても見ごたえあり。
恥ずかしながら劇画を生み出した歴史的な漫画家でありながら辰巳ヨシヒロの名前を知らなかった。昭和10年に生まれて戦争に復興、高度経済成長と共に駆けていく辰巳の漫画家人生を5本の作品を挟みながら物語っていく。原爆投下時に影が焼きついた親子の写真を撮った男に突きつけられた真実。四畳半に猿と暮らす孤独な工員の悲劇。定年後の妻との生き地獄に心の折り合いをつけるべく浮気を試みる男。子供向け漫画で行き詰まっていた所に便所の卑猥な落書きでインスピレーションを得た漫画家。占領軍の情婦とそのだらしない父親。どれもこれもが大体鬱屈して酷い結末だが単純化できない複雑な人間心理が込められている。今でも本流とは言えない漫画を率先して発表して表現の幅を広げた先駆者ぶりを同時代の有名漫画家、例えば一緒に仕事をしたさいとうたかをのインタビューを用いるようなことは一切せずに5本の作品で如実に語っている。本作をジャンル分けするならドキュメンタリー。こういう手法もあるのかと思った。この世界は奥が深い。
Masataka

Masatakaの感想・評価

4.1
辰巳ヨシヒロという漫画家を、僕は名前しか知らなかった。この人がいなければそもそも「劇画」という言葉すらなかったという先駆者であるというのに。本屋などにあまり置いてないし、Amazonで検索してみても、作品は驚くほど少ない。逆に同時代の漫画家で交流もあった、つげ義春の作品はたくさん出版されている。

戦後間もない頃、しかも10代から漫画家として活躍していた辰巳ヨシヒロの半生を、合間に何本かの代表的な短編作品を挟みながら描いていくという構成の映画。劇画を動きの少ないアニメーションにしている。ちなみに収録作の中では「男一発」が好きだった。

エンドクレジットを見るまでシンガポール制作だとは知らなかったので驚いた。日本でも知らない人が多い偉大な漫画家を、このような映像作品にしてくれてとてもありがたい。辰巳ヨシヒロさんは残念ながら本作の公開から数年後に他界されてしまったが、本作ではナレーションも担当しており、元気に絵を描く姿を見ることができる。
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