hoka

一命のhokaのレビュー・感想・評価

一命(2011年製作の映画)
3.0
しんどい。

今川家の家臣であった直親の嫡男直政が、徳川に取り入り上手く勝ち馬に乗った結果、地位を苦もなく手に入れた直孝の家老が斎藤勧解由。

関ヶ原で家康と敵対した福島藩士であれば、減封を余儀なくされリストラの憂き目に遭う。
浪士となれば、戦勝藩に仕える機会がなければ、自給自足で食い繋げなければ生きて行けない。

テーマは太平の世での武士の面目についてだろうか?

家光の治世で碌を奪われても、面目が邪魔をして生きる術が限られているから窮乏していて、妻子が病に伏せていては藁にも縋りたい気持ちは分かる。

しかし真正面から金を無心する方が成功率は低くても良かったのじゃ無いだろうか?

人の情に訴える津雲半四郎と武士の本懐を遂げさせたという斎藤勧解由。

確かに井伊家には狂言に乗る義理は無いが、本当に竹光で腹を斬らせるのは、底意地が悪い。

斎藤勧解由がやめさせれば良かったのに、あの場にそうしなかった事を咎められる人物は居なかった。
侍にとって、戦えない太平の世は生き辛いという事か。

最期の竹光での大立ち回りは何故真剣で斉藤に斬りかからなかったのだろう?
特に後に憂いを遺す事もないのだから、其れでこそ本懐を遂げられそうなものなのに。
hoka

hoka