クリストフォルー

白い恐怖のクリストフォルーのレビュー・感想・評価

白い恐怖(1945年製作の映画)
4.1
いくらなんでも、もうちょっと良い邦題はなかったのかと思いもするが、昔のテレビ放映(もちろん、吹替えは城達也)時代には、十分にインパクトがあった気もする。海外ドラマで“shrink”と揶揄される以前の精神分析医のイメージは、これが基だったかな。
最初、ダサめに出てくるバーグマンと若々しいペックが、ミクロス・ローザの愛を掻き立てるような調べに乗って恋に落ちるところからして、これがどうミステリーになるのかと思ったが、そこがヒッチとベン・ヘクトの作劇の妙。次々に舞台を移す逃避行から、ペックがアンソニー・パーキンスぽくなるところなど、さすがに上手い。
雪山のスクリーンバックを使ったスキーシーンも、今では使わない(使えない)手法だが、これでなければ、あの場面が成立しないのだから旧いと馬鹿にできない。バーグマンとペックで「疾風ロンド」みたいな撮影はできないもん。
アンクル(U.N.C.L.E.)のウェーバリー課長が活躍してくれたのも嬉しい限り。あの“手”とオチも意外と好きかも。
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