デパルマ

白い恐怖のデパルマのレビュー・感想・評価

白い恐怖(1945年製作の映画)
3.5
イングリッド・バーグマンとグレゴリー・ペックが見つめ合う場面で、離れていたカメラが次第にお互いを至近距離で捉えはじめる演出の見事さ。そしてドアがひとつひとつ開いてく。グレゴリー・ペックが抱いた彼女の着るガウンの模様を見つめると、たちまち何かを引っ掻いたような擦り傷に変貌する。電話が鳴る。二人は引き裂かれる。いままで何となく分かったつもりでいたヒッチコック演出の凄さをまざまざと見た気がした。芸術だと思った。

女性蔑視が強い。君は男性に知識をひけらかす女性特有の体質があるとか、恋する女性の精神は異常だとか、酷すぎる。その代わり、愛する男性を守り闘うイングリッド・バーグマンが、めまいがするくらい美しい。またサルバドール・ダリが手掛けたシュルレアリスティックな幻想的な精神世界とカメラワークも芸術的。まじでこれの城達也の吹替版ほしい。ペックは城達也で聞きたい。水城蘭子のバーグマンも素晴らしかった。ヒッチコック映画はほとんどBD化の際に吹替新録している。おそらく綺麗な音源がないのだろうな辛い。
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