FumiKawaguchi

月光の夏のFumiKawaguchiのネタバレレビュー・内容・結末

月光の夏(1993年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

佐賀県鳥栖市の実話に基づいて作られた映画です。音楽を愛し、ピアノを愛した若者二人が特攻隊となり、いざ突撃となったとき、最期に思ったこと。それは「死ぬ前にピアノを弾きたい」ということでした。純粋に音楽を愛する前途ある若者が自分の死を覚悟して、最期に弾いたベートーヴェンのピアノソナタ『月光』。当時の特攻隊の無謀さ、残酷さ、そして無情さ。更に特攻隊で生き残った者の、その後の辛い運命。『月光』の音楽と共に胸にズンと重く響いてきます。「僕も特攻隊になりたいです」という小学生に「君たちがならなくていいように、僕たちが行ってくる」という言葉に胸が締め付けられました。お国のため。まるで死が栄誉であるかのようだった時代でも、特攻隊の人びとは命の重みを強く感じていたでしょう。『平和』を願っていたからこそその命を捧げたのでしょう。血で争うことのない平和な世界を、願って止みません。若くして散った人々のためにも、平和であって欲しいですね。
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