イワシ

ロサンゼルスのイワシのレビュー・感想・評価

ロサンゼルス(1982年製作の映画)
3.8
外界に対してほぼ無反応なロビン・シャーウッドが突然走り出し窓を突き破り柵に串刺しになるまでの突発的な速さが凄くて、正直メインの復讐以上。如何わしいハリウッド大通りや荒廃した建物、救護院が並ぶ街角と遠景の高層ビルが同一画面に収まった80年代LAを捉えた画面が頗る魅力的。

ハリウッド・ブルーバードの光景はほぼ『エンジェル』(83)。そんな大通りから外れたらさっきまでのネオンの光と狂想的な雰囲気は消え失せ画面は黒が支配的に。ただ人だけは闊歩する姿から無目的に佇む姿になるだけで相変わらず存在するのだが、ブロンソンがどれだけ発砲しても無反応なのでかなり不気味。

ヴィンセント・ガーディニアの死にざまはすげー良かったな。『クロッシング』のドン・チードルを想起させるヘッドライトの到来。場合によってはブロンソンの始末さえ暗に命じられるも咄嗟に尾行していたブロンソンに警告(このとき双眼鏡越しの視点ショットが初めて登場する。尾行していたガーディニアはブロンソンの行動を常に監視しているため、その視点は観客のそれと共通している)、敵討を託して死ぬ。
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