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宮本武蔵 一乗寺の決斗のRyanのレビュー・感想・評価

宮本武蔵 一乗寺の決斗(1964年製作の映画)
4.1
日本版「マッドマックス」


ストーリー
失踪した吉岡清十郎に代わって家督を継いだ伝七郎から果たし状を受け取る宮本武蔵。敵の数は70人を超えていたが、武蔵はひとりで戦いに挑むこととなる。


主演 萬屋錦之介
監督 内田吐夢



これぞ演技!これぞ映画!
迫真の演技が魅せる鬼気迫る表情。
1つの伝説を観ている気分となった。
武士とはどうしてもどかしい生き物なのだろう。

この映画の面白さは宮本武蔵が"悪い"と陥れるためではなく"宮本武蔵は悪い"と言い続けた人々の不平等、理不尽、不義理を描いている。
昔話や伝記、伝承や映画などでは大抵主人公が死ぬのだが、宮本武蔵は単純に「強すぎた」。剣の強さと肝の太さ、そして用心に越した策略。
大人だろうが子供だろうが関係なく"人"として扱う宮本武蔵の姿に賛否両論だろう。


終盤の決闘のシーンは鳥肌が立つ。
素晴らしく華麗で泥臭い。
泥臭すぎる。
青みががったモノクロぽい映像、その後に一瞬で幻想的な風景へと切り替わる映像の力強さと抜群のセンス。
単純に映画としても面白いし、色使いや派手なアクションは「マッドマックス」を彷彿とさせる。

個人的には宮本武蔵の考えを推すが、今後の物語にどう関係してくるのか?楽しみでならない。
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