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ブルーバレンタインのkaitomoのレビュー・感想・評価

ブルーバレンタイン(2010年製作の映画)
3.8
ある夫婦の最良のときと最悪のときが交互に描かれる、苦味強めのラブストーリー。
冒頭で、ニコラス・ケイジみたいなハゲかたをしているライアン・ゴズリングの振る舞いを観た段階では「こういう無神経な男いやだわー」と思った。
しかし、出会いパートを観ると「元からコイツこんな感じじゃん」というのが分かる。彼女は彼女で、男を観る眼は本当にないんだろうな、というのも分かる。
彼は変わらず、彼女は成長したというところで食い違ってしまったのだろう。もともと価値観も大きく違っていて釣り合いもとれていなかったのだ。
一時の盛り上がりで結婚してしまうのは危ないのだ、という当たり前の事を突きつけてくる。
とは言え、あの状況で男気を見せた彼を選ぶ以外の選択肢はなかったのだろうし。結局、結婚して観ないと見えないものはどうしてもある。
これは普遍的かつ現実的なドラマであるがゆえ、多くの男女にダメージを与える作品なのである。
主演二人の凄みもあり、語り口も切れ味があって、面白かった。
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