こつぶライダー

ブルーバレンタインのこつぶライダーのレビュー・感想・評価

ブルーバレンタイン(2010年製作の映画)
4.0
この夫婦の恋愛を通して、人生について考えさせられました。

"恋愛成就"とは言いますが、何を持って成就なのだろうか?

広く一般的に"結婚"のことをゴールインと呼びます。

しかし、結婚ってスタートでもある。

だから、終わりであり始まり。

全てが上手くいっていたかのように見えて、結婚してから歯車が狂い、離婚。そんなカップルはごまんといます。


私もその一人。
長年付き合い、結婚。その後も決して仲がとても良かったとは言えませんでしたが、それなりに夫婦生活を送りました。

それでも突然その時は訪れました。


今作では、何を言いたいのか。

それは時系列にあるのではないか?と。

普通であれば、時系列通り、男女が出逢って恋に落ちて、右往左往しながら結婚し、ケンカ別れ、、、という流れになりますが、それとは違っています。

2人の関係が破綻するパートと、出逢いのパートと分けて描き、恋愛成就するシーンで終わるのです。


時間は不可逆的だから、もちろん戻りはしないけど、何事も終わりがあるからには始まりがあったわけで、その情熱や愛は確かにそこにあったんだよな、、、と。


そのときは確かにつらいんだけどさ、結果ばかりではなくて、その過程に意味があると。


この作品、ハッピーエンドではないし、空気感も重たくて、カップルで観るもんじゃないと思う。

それでも、自分は前妻とまだ婚姻する前に、結婚生活は簡単にいかないことを伝えたくて、彼女に観せたんだよね。

まあ、彼女は「全然おもしろくなかった」「男が断然悪いじゃん」「何を伝えたいのか分からなかった」との感想でした。


何となくだけど、その感想を聞いて、もしかしたら上手くいかないかもなって心のどこかで感じ取っていました。

でも、若かったのもあってか、自分自身が一度決めた相手を疑うのはおかしいと、100%信じてしまったのよね。

いや、それ自体は悪くないのだけど、意気地になってしまっていたのはあったから。


そんな、映画の内容さながら、苦い想いが過ぎる作品であります。
こつぶライダー

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