さんばん

アメリカの影のさんばんのレビュー・感想・評価

アメリカの影(1959年製作の映画)
4.0
即興演出で作られた今作品。
脚本がないため動作や会話の流れがより自然でリアル。ドキュメンタリーのような雰囲気があった。
ジャズの劇伴がびったりだったし、これも即興の演奏だったと知り驚いた。

きっぱりと拒絶するわけでもない、だけど黒人という事実だけで何となく距離を取ろうとする。そんな生々しい態度はこの作風だからこそなんだと思う。
人種差別の問題を強いメッセージ性で訴えかけているわけではなく、作中に立ち込める焦燥感というか、ヒリヒリした空気でこちらに伝えてくる。

これがデビュー作。カサヴェテスはやっぱりすごい。