せいけ

アメリカの影のせいけのレビュー・感想・評価

アメリカの影(1959年製作の映画)
3.5
カサヴェテスの原点とも言える即興演出で作られた作品
役者の感情の表出によりストーリーが展開され、ジャズミュージックをバックに突拍子もない化学反応が起こる
生々しくそこに生きる人たちだと感じさせる演技を引き出すのはさすが
ショットもなかなか斬新だがイマジナリーラインのセオリーをかなりの頻度無視するので会話劇なのに誰と誰が話しているかわかりにくいという難点も
日常の中に潜む差別心を浮かび上がらせながらのそこに対する深い批評性があるというわけではない
飽くまでカサヴェテスの演出の原点という見方で楽しんだ1本だった