ツクヨミ

デッドマンのツクヨミのレビュー・感想・評価

デッドマン(1995年製作の映画)
3.8
ギターの旋律で彩られた"死人"の旅路。
西武開拓時代のアメリカ、クリーヴランドからマシーンシティへやってきたウィリアム・ブレイクは出会った女性の家で事件に巻き込まれ…
ジム・ジャームッシュ監督作品。"ジム・ジャームッシュ・レトロスペクティブ2021"にて鑑賞、今作はタイトル通り"デッドマン(死人)"が続出する話でアクションかと思いきや流石ジム・ジャームッシュ監督、今作は実にゆるやかな雰囲気を持った旅映画となっておりアクション要素はかけらもない。そしてそんな内容なのに死人がでる理由は銃撃というのが面白く、殺しというより日常的な動きで人を殺したという感覚で死人が出る過程が静かな笑いを誘うのだ。
そして今作は映画技法的にも面白く、大胆なクローズアップやカメラをローポジションに添えて地面の物を映したりとなかなか面白い撮影が光っていた。また全編に流れるギターの旋律がかっこよさと哀愁をかんじさせる映像作りに貢献している。
モノクロの映像とギターの旋律、そして絵画的にも美しいキマったかっこよさが感じられる魅力的な作品だった。
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