よく噛んで食べるタイプの映画だ。
冒頭の異様にカット数の多い汽車のシーンのマイペースさでそう確信した。
一応、西部劇という枠組みの中で進んでいくけど、原住民と一緒に殺し屋から逃げるっていう変な話に、ジャームッシュ節とジョニーデップの不思議な空気が加わって、白昼夢でも観てるかのような浮遊感すらがあって、ありがちな西部劇からは明らかに外れてると思う。
ニールヤングのきったない(褒め言葉)ファズギターの音像もそれに相乗する。
何というか、良い意味で緊張感がない。
そこそこ人が死ぬのに。
めっちゃ強くなったジョニデがサイコな殺し屋との直接対決に向かわせてもよさそうなのに、そう簡単に物語に意味を持たせてくれないのがジャームッシュ作品。