Salt

デッドマンのSaltのレビュー・感想・評価

デッドマン(1995年製作の映画)
3.9
アメリカンドリームを夢見て機械工場の会計士として渡米したウィリアム・ブレイクは西部劇さながらの街並みの中にある機械工場に向かう。
しかし、そこには既に会計士がおり、職を失った彼は途方に暮れ、立ち寄った酒場で美しい花売りの女性と出会う。
女性と一夜を共にした彼の元に、その女性の婚約者と名乗る男がやってきて物語が始まる。

ゴールドラッシュ時代に土地を追われたネイティブアメリカンもこの物語に多く登場するのだが、ウィリアム・ブレイクは迫害するアメリカ人から蹴落とされた存在であり、ネイティブアメリカンと同じ立ち位置になっていくのがこの物語の象徴である。

既に死んだ男(デッドマン)として旅を続けるウィリアム・ブレイクを生かし続けたのはその土地の精霊の加護か、はたまた故郷へ帰りたいという郷愁か。

映画の紹介写真にもあるウィリアム・ブレイクが小鹿に寄り添うシーンは、この映画の本質である文明に消費された者の儚さを描いたシーンとして必見である。
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