カッコいいおじいさんが出てくる物語、
それがONE PIECE。
敵役 黒腕のゼファーことZ。
最高にカッコいいジジイじゃねぇーか!
今作は、その一言に集約できます。
海軍で後進の育成に携わっていた男が、
過去の悲劇と政府への疑念から、
世界を滅ぼす過激派になった…
と、ありがちな背景を持つのですが、
今作の魅力は、そこじゃない。
恩師との決別。
自身の心に反する職責に、
歯を食いしばって耐える海軍の面々。
金八先生顔負けの人間模様。
苦い感情を押し殺して巨悪に挑む、海軍のカッコ良さ。
それが、今作の魅力です。
Zは最後まで安易に改心せず、
信念を曲げず、姿勢を貫く美学を体現し、
大局が決しても、決して崩すことがない、
本当のカッコ良さを教えてくれます。
その姿に涙を浮かべる方も少なくないはず。
なお、麦わらの一味ですが、
今作に至っては、お邪魔虫かもしれません。
彼らがいなくとも、充分に物語として成立しているので、
ONE PIECEファンとしては、心苦しい限り。
我らが麦わらのルフィも
たまには、そういう立場であっても
いいのかも知れませんね。