mitakosama

SPL/狼よ静かに死ねのmitakosamaのレビュー・感想・評価

SPL/狼よ静かに死ね(2005年製作の映画)
3.4
ドニーイェン×サモハンによる刑事とマフィアとの対立を描いたバイオレンスアクション。
男たちの挽歌より確立された香港ノワールの系譜の作品だね。
そして今作からは北野イズムを強く感じた。冒頭から幾度も映る海のシーンなんかHANA-BIの影響が絶対あるよな。地味に痛そうな暴力描写やオチを先に見せる演出などにも北野的センスを感じた。

マー(ドニーイェン)が新任してくる警察署。既にマフィアのボス・ポーとは既に対立。逮捕の為には証拠の捏造も訳ないぜ。マフィア側の証人の殺害、警察側の証拠偽造、刑事の暗殺。どっちも無茶苦茶でどっちも悪いが、そもそもの犯罪組織と違い警察は明らかに道を踏み外している。故に誰も幸せになれない展開。破滅の美学ここに極まれり。

マフィア側の殺し屋・ジェットにウー・ジン。金髪で狂気のナイフ使い。顔は嵐の大野に似てる。
ドニー・サモハン・ウージンの3人によるアクション対決。ここで急にカンフーによる香港アクションはとっても唐突ではある。(それでも奇抜な技はだいぶ減らしてはいるが)銃があるのに山場になると徒手空拳になるのはお約束と思って楽しもう。
ドニーの警棒とウージンのナイフでのバトルはスピーディーで面白かったね。ドニーが勝つと判っていても手に汗握る。

アクションは非現実的だが、それがケレン身があって良い塩梅のアクセントになってるね。
mitakosama

mitakosama