悠

恐怖省の悠のレビュー・感想・評価

恐怖省(1944年製作の映画)
3.8
精神病院を退院したばかりの男がバザーでもらったケーキをきっかけに陰謀に巻き込まれていくフィルム・ノワール。
謎が謎を呼ぶ目まぐるしい展開にすぐに目が離せなくなるとともに、緻密に計算されたことが伺えるスタイリッシュなアングルや絶妙な照明による印象的なショットが多く、ラングの手腕が光りまくっている作品でした。たびたびホラー映画の様なシーンを撮るラングですが、今作で登場するブリティシュホラー顔負けの降霊会のシーンは特にお気に入り。終盤、かっこいいショットを連発してからのふざけた終わり方も好きでした。戦時中のラング作品はどれも傑作揃いだと思います。
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