Jeffrey

バロッコのJeffreyのレビュー・感想・評価

バロッコ(1976年製作の映画)
2.5
「バロッコ」

冒頭、薄暗い空気の中、列車から降り立つ1人の女。ボクサーの男、巨額な金、有力候補、選挙戦、恋人、瓜二つ、愛の罠、殺害、憎しみ。今、霧のアムステルダムで愛の逃避行が始まる…本作はアンドレ・テシネがイザベル・アジャーニとジェラール・ドパルデューを主演に迎えた 1976年の作品だが、日本公開は1990年。フィルム・ノワールタッチの中に描くミステリー が程よく、不条理な愛に落ちていく男女を描く。この度、VHSにて初鑑賞したが面白い。当時19歳だったアジャーニの初々しさが堪らなく、一方相手役のドパルデューはほっそりとしていてハンサムである。 また名匠P・サルドのスコアが最高だ。他にもピジェ、ブリアン等が脇を固めている。

さて、物語は選挙戦に揺れるアムステルダム。ボクサーのサムソンは有力候補の過去をネタに巨額な金を手に入れ、恋人ロールと逃げるが、謎の男が彼を殺害。なんとその男はサムソンと瓜二つで、ロールは激しく恨みながらもやがて愛の罠にはまってゆく…と簡単に説明するとこんな感じで、演奏担当しているロンドン交響楽団の音楽といい、スリリングな愛の形が感性に溢れていて、何よりも若き日の役者たちを見返すのが個人的には楽しかった。てかドパルデューってこの時28歳だったんだ。

やはりVHSなので画質が悪いというか、画面が非常に暗くて見にくかったが、セザール賞3部門受賞と言う作品なので見たくはなるものだ。特にアジャーニの大ファンとして。そういえばアジャーニの主演作品で1番好きなポゼッションはいつになったらBD化されるのだろう、今年の1月にリバイバル上映されていたが…高画質で。やっぱり、「アデルの恋の物語」同様に彼女の初期作品のアジャーニはとんでもなく可愛らしい。本当に大好きだ。
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