春21号

ロスト・ワールド/ジュラシック・パークの春21号のレビュー・感想・評価

4.1
個人的には傑作でした。

あの名作ジュラシックパークの続編です。
ジュラシックパークシリーズの中でもすこぶる評判の悪い一作、ラジー賞にもノミネートされました。
しかし、個人的にはそんなに悪いとは思いませんでした。
確かに絵的にカッコ悪いシーンは多いですが、それでも前作には無かったような工夫を凝らした惨劇シーンが斬新で流石は俗悪趣味のスピルバーグといったところだと思いました。

あの小ちゃいヤツが群がって殺すシーンとか、頭を無理矢理車のまでに突っ込むシーンとか"コミカルで気持ちの悪い"恐竜の動きが生物の得体の知れなさをよく表していた気がしました。

そして何より本作の惨劇のきっかけが人間が恐竜を救おうとした事と連れさらおうとした事である事が皮肉が効いていて良かったです。
人間的な感情でいえば両者には大きな隔たりがありますが恐竜からすればそれは自分達の領域を著しく脅かす事に他なりません。

本作の恐竜達はあくまで人間によって復元されたのであって作られた訳ではないのです。だからこそ彼等は自らの世界を作り、
決して人間の思い通りにはならないのです。
今回の登場人物達は主人公以外その事を全く理解していないのです。
銃を持っていようが治療をしようがその違いは恐竜の前では無意味なのです。
その事を本作はまざまざと見せつけてくれました。

流石はスピルバーグ 面白くない作品がありません。
春21号

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