ヨヨ

海辺のポーリーヌのヨヨのネタバレレビュー・内容・結末

海辺のポーリーヌ(1983年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

いい意味で(?)ストレスフルな映画だった

元はといえばぜんぶアンリのせいではあるが、そこから露見しだす各人の"粗"に、各人が幻滅したり、許したりする
後半、シルヴァンやポーリーヌやピエールに「今だ!アンリを無残に殺せ」とずっと思いながら観てました
ポーリーヌが気持ちよく蹴り飛ばしてたね、もっとやれ
シルヴァンはわりとスッとアンリへの矛を収めた印象がある、ある面での敬意を持っているというか、彼からみればアンリに目立つ"粗"はないのかもな、と思った、というのも、たしかに全員の中でアンリが最もよく練磨された、綻びの少ない人間にみえる
対照的にピエールは綻びが目立つ、彼は完成してしまう(=何かを諦めてしまう)ことを忌避していて、振舞いがなめらかでないゆえに、いくら表面を正しさで繕っても、大変うまくない形で、端々にエゴが露出する

変わらない/変われない大人たちや男の子を少し冷たい目で眺めたポーリーヌは、ピエールと違って、この夏で少し完成度を上げ、真相なんて不合理なものを求めないマリオンと、自然に微笑みあうことができるようになった
ヨヨ

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