海辺のポーリーヌの作品情報・感想・評価・動画配信

「海辺のポーリーヌ」に投稿された感想・評価

Ken

Kenの感想・評価

3.5
映画の始まりでは門を開けて、きちんと閉めて終わる。
このシリーズはコンパクトかつ着地をまとめて終わるけれど、問うてくる感じは全くない。そこが好みではない。
格言というそもそも閉じているものを描いているのだから当然ではあろうが。
久しぶりにエリック・ロメールを。

いとこ同士で訪れた海辺のバカンス。女子ふたりで借りるには広すぎる家の庭にアジサイが咲き誇る。あまりにも印象的だったアジサイについて鑑賞後調べてみると、色々ある花言葉と登場人物がリンクして思わずクスッとしてしまった。

恋愛観が大きく異なり誰一人信念を曲げない男女たちが繰り広げる延々と噛み合わない恋愛劇。あの人にモヤモヤこの人にモヤモヤ…。何年後かに笑い話になってそうなラストでスッキリ!あの小さな黒いクルマ欲しいな〜
淀川長治の「アメリカ映画は生活、イタリア映画は三面記事、スウェーデン映画は神、そしてフランス映画は恋。」という言葉は有名だが、ロメールの作品はまさに恋そのものである。そこで描かれているのは、傍から見ればただのしょうもない男女の交わりのみであるけれども、90分間楽しめてしまうのだから不思議。そして、他のヌーヴェルヴァーグの巨匠たちに劣ることなく、その研究熱心さは遺憾なく発揮されている。だからとてもアーチスチック。戦争映画などとは異なり、いかにも「観る必要ないじゃん。」と唾棄されがちなのがこの手の作品であるが、だからこそむしろ本質的に映画らしくて、自分はとても好きなのだ。
夏、海、ビキニ、別荘、紫陽花。大人が沢山登場するけど皆が独自の恋愛観を崇拝して疑わない、結果として上手く噛み合うことなく複雑に変容する恋愛模様…明確な悪人がいないだけにその辺の描写がすごくリアル。何事も盲目でいるうちが華なのか。しかし本作の中でいちばん整然としているのが恋を知らぬ15歳のポーリーヌ、というのもまた皮肉っぽくて良い。物語の冒頭で扉が開かれ、そして最後に扉が閉まる。片や入口で片や出口。卑怯な大人が吐いた"格言"は夏に置き去りにして後は彼女なりの恋の道程を歩んでほしい。
nanokadayo

nanokadayoの感想・評価

4.1
高校生の時に一度観て、画は綺麗だけど台詞が多くてなんだか退屈だなぁと思っていたけど、今観るとドキッとするような台詞が所々に散らばってるから聞き逃せない
ポーリーヌとシルヴァンの若い二人の方がまともで地に足ついてない大人ばっかだけど、マリオンの「私の基準を判断するのは私だけよ」って台詞は好きだった
エリック・ロメール作品。
15歳の夏休み、大人の偽善と独善、欺瞞と妥協を知って少し成長する少女の物語。

済みません、ポーリーヌ以外の登場人物が揃って一癖二癖有り、物語に入り込めませんでした。
何せ恋愛体質の女性に自己中遊び人、自意識過剰少年と自尊心が高いけれど動かない『トカトントン』の書生の様な青年。
彼等の主義披瀝、詭弁、言い訳に終始苛苛させられました。

そんな中で一人地に足が着いている印象のポーリーヌ。
子供では無いけれど恋も未だ知らない、そんな時期だからこそ自意識と自尊心に邪魔だてされず、物事をニュートラルに見られるのでしょう。

カメラの色味雑味、輪郭の暈しは好みではあるものの、全編通して自己主張の激しい面々が繰り広げる騒動で爽快感も気付きも無く、更に観ていて少々気疲れする、そんな作品でした。
冒頭とラストの、門扉を開閉して入って行くミニ、立ち去るミニのみのみが印象に残っています。

テーマや劇性も無く、即興性へ重きを置くヌーヴェル・ヴァーグ…、苦手です。
Ricola

Ricolaの感想・評価

3.8

このレビューはネタバレを含みます

それぞれのひと夏の恋…。
しかしそれも簡単にはいかない、ロメールの「喜劇と格言劇」シリーズ3作目。


冒頭の美しい花の咲き乱れる庭の中で、ポーリーヌが年の離れたいとこのマリオンに、甘えながら話しているシーンの彼女の愛おしさ。
しっかり者ではあるけど、まだまだあどけなくて恋愛の話にもまだ疎い感じである。

奔放なマリオンとアンリ、
慎重で誠実なポーリーヌとピエールと、乱暴に分けたら、この作品の主要なキャラクターはこのように分けられるだろう。
しかしだからといって、それぞれが恋愛観が同じでわかり合えるといったらまた話が違う。

途中までうまくいきそうな二組のカップルがわりと微笑ましかったが、アンリの女好きが露呈し、その浮気によってみんなが巻き込まれてから、それぞれの価値観もどんどん明らかになっていく。

人の選択に口を出すのは、自分に好都合だから。
皆自分勝手だし、正直いつまでもわかり合えないものだ。

マリオンとポーリーヌが、ピエールをお互いに押し付けるのも、彼がいい人だと認めているけれど自分の相手としては嫌だから、誰かとくっついてくれれば好都合なのだ。

一方でピエールも、誰かのためと言ったって、それは結局自分のため。
ポーリーヌに優しくするのも、マリオンに好かれたいという思いは一理あるはず。

一見アンリの一番露骨な自分勝手さにみんなが振り回されているようだが、それぞれに要因がある。
アンリの女好きは直すとか直さないとかの問題ではないのだし。

いろいろと修羅場を乗り越え、人とぶつかり合って自分の意見を形成していくポーリーヌ。だけどときには折れることも、受け入れることも必要だと、マリオンの選択から察する。
それで彼女は一種の人生の処世術を学び、少し大人になって夏休みを終えるのだった。
kabcat

kabcatの感想・評価

3.8
『緑の光線』と並んでフランス人にとっていかにバカンスが重要であるかを語る映画の一つ。登場人物それぞれがそれぞれの理想とする恋愛を模索するもののみんなボタンのかけ違いのようにうまくいかない皮肉な内容だが、海辺の風景や別荘の開放的なインテリア、ビキニやサンドレスといったファッションなどリラックスした非日常的な記号をからめることで、不思議に楽観的でのんきな気分で観られる。20代の頃に観たときはロメール作品の登場人物たちはみんなカッコよくて魅力的に思えたものだが、今こうやって見直すと、よく考えるとダメな人ばかりでおかしい。

ポーリーヌ役のアマンダ・ラングレの背伸びしないナチュラルな演技が初々しい。マリオン役のアリエル・ドンバールはあまり好きじゃないタイプの女優だが、ここでは猫のようなルックスと豊満なボディがポーリーヌと対照的でよいキャスティングだと思う。またロメール映画ではイケメン枠wに入るパスカル・グレゴリーより、今回はちょいワルオヤジのアンリを演じたフェオドール・アトキンのほうがだんぜん魅力的だ。そして若くして世を去ったシモン・ド・ラ・ブロスが出ているのが切ない。
かるた

かるたの感想・評価

3.8
ロメール、雰囲気は抜群なんだけど、話の内容があまりにもくだらなくないだろうか…
nicoden

nicodenの感想・評価

4.0
知らない方が幸せ。
思わず見てしまうというようなカメラワークが好きでした。
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