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生き残るヤツのあのレビュー・感想・評価

生き残るヤツ(1971年製作の映画)
4.1
端役のデニーロが頑張って「見て...!」と微笑みかけてくるサムネイルに惹かれ鑑賞。別にそんなことせんでも普通に面白かったぞ...!

海くらいしか綺麗に撮れてないのに、こんなにも惹きつけられる映画はなかなかありません。もちろんカット割にも特に工夫があるわけでもなく、しかし、毎度のこと街角に吐き出されるJJのボロボロの顔が、終始こちらの目に焼きついてくる、俳優の顔が素晴らしい映画でした。

「バージニア・ウルフなんか怖くない」で小綺麗な学者だったのに、たった5年でシミだらけのヤク中を演じられるジョージ・シーガルが勝負を決めた秀作でした。

洗濯機に隠れてはスイッチを入れられてぐるぐる回り、寝室に閉じ込められてはモロ出しで助けを求めるJJが無様すぎて、観客は笑うでしょうが、海で禁断症状に耐えきれず顔を赤るところでだんだん笑えなくなってきて、ついに友人の亡骸が閉まらない扉を作った後、延々と回る回転扉がJJの終わらない地獄を予見させるラスト...

このかなり荒削りだけど、キメるところで確実にキメにくる感じ。かなりイノシン酸多めの低予算感が五臓六腑に染み渡ります。素材の味を生かす上手さ、これには土井先生もびっくり。
あ