凶悪犯を護送中のジャンボジェット機が、不測の事態に陥るパニック・スリラー。
クリスマス・イブの乗客がほとんどいないニューヨークからロサンゼルスへの便に、2人の凶悪犯を護送するために搭乗したジャンボジェット機で、凶悪犯の1人スタッブス(ブレンダン・グリーソン)が、護送する連邦保安官の銃を奪い、機長と保安官らを殺した上、CAのテリー・ハロラン(ローレン・ホリー)を人質に取る事態を起こすも、もう1人の凶悪犯ライアン・ウィバー(レイ・リオッタ)に窮地を救われるのだが、副機長も頭を強打し死亡しおり、たことでパイロットを失ったジャンボジェット機をテリーが操縦す
ライアン・ウィバーの本性を見せ始める。
飛行機の中という逃げ場のない空間で、次から次へと訪れる危機と、徐々に本性を表すライアン・ウィバーの豹変ぶりが見どころ。
ライアン・ウィバーが、操縦室に斧を持って襲ってくる様は、『シャイニング』のジャック・トランスそのもので恐ろしい。
凶悪犯の護送に、実にお粗末な仕事ぶりの連邦保安官が招いた惨事。
自暴自棄なスタッブスとライアン・ウィバーは、躊躇わず発砲するだろうが、機内での拳銃使用がどれほど危険か、我々素人でも知っている。
機内の減圧とパイロット不在で制御不能となったジャンボジェット機は、時に錐揉みに近い状況だったり、背面飛行だったりと、作中で描かれるくらいでは済まない事態だ。
そんな中、ジャンボジェット機の操縦を余儀なくされるテリーだが、ほとんどが自動操縦で出来てしまうことに驚き。
それにも増して、一度気を許したせいか、ライアン・ウィバーの言葉に直ぐに騙されるのにも驚き。
誰でもそうかも知れないが、テリーは、命を救ってくれた人に弱いのかも…。
エア・パニック系の映画というより、限られた空間で追い詰められるスリラー感の方が強く感じられる。
やり過ぎ感とツッコミどころが多々あれど、レオ・リオッタの怪演に目が離せなくなる作品。