福福吉吉

パニック・ルームの福福吉吉のレビュー・感想・評価

パニック・ルーム(2002年製作の映画)
3.5
◆あらすじ◆
夫と離婚後、メグとその娘のサラは豪邸に引っ越した。監視カメラに複数のモニター、緊急避難用のパニック・ルームと監視体制を完備した豪邸だが、引っ越し初日だったため、複雑な監視の設定もそこそこにメグたちはそのまま就寝した。その後、3人組の強盗がメグたちの豪邸に侵入してくる。

◆感想◆
豪邸に引っ越した母娘の家に強盗が押し入ってきたため、母娘がパニック・ルームで籠城戦を行うストーリーとなっており、パニック・ルームを中心に母娘と強盗たちのかけ引きが見どころの作品となっています。

夫が浮気して離婚したメグ(ジョディ・フォスター)は娘のサラ(クリステン・スチュワート)とともに豪邸に引っ越してきます。娘のサラが糖尿病を患っているためか、メグがサラに対して過剰に心配する傾向があり、サラは少しメグが過保護なように感じています。サラが妙にメグに対して冷めた態度をとりますが、それでもメグの気持ちも分かっていて、メグに感謝やお詫びをするところは可愛らしいです。

強盗たち3人は本来、豪邸が無人であることを前提に押し入ってきたのですが、メグたちがいることで早々に仲間割れしそうになります。強盗のリーダーのジュニア(ジャレット・レト)は豪邸の前の持ち主の親戚にあたり、豪邸のパニック・ルームに財産があることを知り、それを盗むためにバーナム(フォレスト・ウィテカー)とラウール(ドワイト・ヨアカム)を仲間にしていました。しかし、このジュニアがとことん頭が弱く、それでいて短気という小物感全開で面白かったです。実質的には豪邸の警備システムを熟知しているバーナム1人でやれば良かったんじゃないかと思いました。バーナムは人に危害を加えないことを信条にしており、フォレスト・ウィテカーという役者にぴったりだと思いました。

肝心のパニック・ルームにメグたちが逃げてしまい、強盗たちが目的を果たせない状態になり、そこからメグたちはいかに外部へ連絡を取るか、強盗たちはいかにメグたちを部屋から出すかという点で攻防することになります。この点、パニック・ルームから場所が動かないので、絵面的に変化に乏しくその点、少し冗長に感じました。ジュニアがやたらと短気をおこすのも繰り返されると辟易します。

ストーリーが後半になると、パニック・ルームだけでなく豪邸全体で動きが活発になるので、俄然面白くなっていきました。また。サラが糖尿病でメグが動かざるを得なくなるのも良い構成だと思いました。そして、豪邸に別れた夫のスティーブン(パトリック・ボーショー)が助けに来るのですが、あまりにもお爺ちゃんな姿にビックリしました。メグはかなり年上が好みなんですね。

前半少し膠着しましたが、後半にそれを挽回する緊迫感に満ちた展開があって、面白かったです。

鑑賞日:2024年2月24日
鑑賞方法:CS WOWOWプラス
(録画日:2023年6月8日)
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