車の衝突事故から派生して、様々な人同士の衝突を描いた群像劇。
「触れ合いたいのさ、ぶつかりあって何かを実感したいんだ。」
触れ合う、手と手だったり体だったりではなく「クラッシュ」、衝突による触れ合い。
差別、偏見による衝突、勘違いによる衝突。拳だけではなく、目線だったり、言葉の衝突。
白人と有色人種だけじゃなく、夫婦間や精神的なもの、自分など。それらとの衝突から人間性を訴えている作品。
ここまで踏み込んでいる映画中々無いと思う。あらゆる人種、性別、貧富の差など、、現代社会の問題をたくさん詰め込んでいてそしてこのまとまり。
クラッシュで始まりクラッシュで終わる、だけど最初の衝突よりも人々が良い方向へ少しずつだけど進んでいる。
失敗し考え、日々成長するのが人間だよね。
差別は絶対悪ではあるが、差別してしまう人自体は純粋な悪ではなくその考えに至るまでの背景がある。どこか共感してしまう部分があるかもしれない。
人はぶつかり合い、傷つけ合い、そして孤独。
それでも人は人を愛する。愛し合うことができる。
美しいくてそして残酷。