アカデミー賞作品賞を見てみよう【その79】
登場人物の多い群像劇だけど、人種民族が多様で誰が誰だか分からないとはならなかった。人種差別という軸がはっきりしているので、登場人物や場面が転々としてもまとまりがあった。
また、例えば白人至上主義で男尊女卑なマット・ディロンも家に帰れば父親の介護で気苦労が絶えないなど、完全な悪人も善人もいないので、ほとんどの登場人物に胸糞悪さを感じたとしても感情移入したり同情したりしてしまう。
そして、車がひっくり返った事故の後や透明のマントのシーンは見ていて言葉にできない様々な感情が押し寄せてきて、今まで感じたことのないような感覚だった。
2022-506
Dec-9