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鴬城の花嫁のmitakosamaのレビュー・感想・評価

鴬城の花嫁(1958年製作の映画)
3.4
東映YouTubeより。どうも鳳城の花嫁という作品が先にあり、その続編とのようだ。でもこの作品だけで独立していているので単体で楽しめる。

鴬城のお殿様が駿河守というから一応静岡という設定なのかな?
冒頭で駿河のお殿様(三島雅夫)が客席に向かって語りかけてくる。第4の壁をいきなり破ってくる展開にこの作品の滑稽なノリの良さを予感させる。また全編通して三島雅夫が良いコメディリリーフキャラなんだ。

鴬城には松姫・竹姫・梅姫の3人がいる。これが大川恵子・桜町弘子・丘さとみ。
松姫に将軍家松平から嫁入りの話が持ち上がるが、姫はこれを拒否。
お家取り潰しの危機となり松姫を病気と言うことにして尼寺へ預け、お付きとして堅物の侍・三鷹(大友柳太朗)を護衛につける。
そもそも尼寺に男の侍を護衛にする時点でオカシイのだが、そこは勢いで誤魔化す!

基本、大友柳太朗がモテキャラとなる。家老(志村喬)の娘も積極的に迫ってくる。松姫の腰元とも恋愛の真似事を演じさせられる。ハーレムものの先駆けだ。

そして将軍の松平の若様が来て鴬城でおもてなし。竹姫・梅姫と女中での歓迎の舞が振る舞われる。この辺のミュージカルシーンはとても楽しい。

だが、お家乗っ取りを狙う家老(山形勲)の陰謀で、松姫との破談が画策される。強硬手段にでる家老に対して剣を振るう大友柳太朗。

最後にはカップルが複数誕生しメデタシメデタシ。だが、正直言って多数ヒロインの存在のおかげで全体的にまとまりなくパラパラした印象だなー。
特に梅姫(-丘さとみ)と女中(中原ひとみ)の歌が良く、メインヒロインの松姫が霞んでしまった。大友柳太朗も前半は割と存在感がなく空気なんだよなー。
楽しい作品だが、もう少し整理されたらもっと良くなったのに。
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