にんじんしりしり

容疑者Xの献身のにんじんしりしりのレビュー・感想・評価

容疑者Xの献身(2008年製作の映画)
4.1
ストーリーの構成上、石神に同情するし嫌いになれないし、格好良いとさえ思ってしまう。これが究極の愛なのかもと思ったが、やっぱり大きく歪んでいて正常ではないし、おせっかいと自己満足でしかないよね。
石神は、関わりたい、必要とされたい、いつまでも覚えていてほしい等の欲望が満たされて気持ち良いかもしれないが、花岡にとっては終わりのない罪悪感という名の束縛。誰の正義でもないことに気づいた石神はどんな思いだったろうか。計り知れない。

身の回りではこんなに大きなことはないにせよ、表面的には愛とか思いやりでやっていることでも無意識下では自分のエゴで、相手を苦しめていることって結構あるんだろうなぁ。見えないだけ、見ないようにしているだけで、人ってそういうものなのかな。本当の愛なんて存在するのかわからなくなる。
うまく文章にできないけど、悲しみと切なさに心を鷲掴みにされるようなお話でした。