福福吉吉

父親たちの星条旗の福福吉吉のレビュー・感想・評価

父親たちの星条旗(2006年製作の映画)
4.0
◆あらすじ◆
1945年、アメリカ軍は日本の硫黄島へ上陸作戦を開始する。壮絶な戦いの中で制圧した摺鉢山の頂上に星条旗を掲げる。星条旗を立てる写真がアメリカ本土で爆発的な人気となり、英雄として若い3人の兵士が本土に呼び戻され、政府の資金集めに利用される。

◆感想◆
クリント・イーストウッド監督が硫黄島の戦いを日米それぞれの視点で描いたものであり、本作はアメリカ視点でストーリーが展開していく。硫黄島の戦いに参加した兵士たちの中でも特殊な経験をした兵士3人にスポットを当てていて、これまで知らなかったアメリカのストーリーを知ることができました。

硫黄島の戦いはアメリカ軍にとって過酷な戦いとなり、多くの兵士たちが命を落とします。この戦いの映像がリアリティに満ちていて、死体の転がる戦場の血の匂いが香ってくる感じがしました。

多くの兵士の犠牲のもと、アメリカ軍は摺鉢山を制圧し、星条旗を立てたところ、その写真がアメリカ本土で人気になり、星条旗を立てた3人としてドク、アイラ、レイニーが帰還を命じられます。この3人は政府に金策のため、利用されるのですが3人のそれぞれの心情がしっかり伝わってきて良かったと思います。特にネイティブアメリカンのアイラは死んでいった仲間に変わって自身が英雄扱いされることに耐えられないと心情を吐露するシーンは心に突き刺さりました。

第二次世界大戦を生き抜いた3人のその後の経過も描かれていて、戦場の記憶に苛まれる姿など、ただ生き残ったから良かったという話になっていないのも興味深かったです。

第二次世界大戦の作品の中でも今まで知らなかったことが多く描かれていて、新鮮な気分で観ることができました。当時のアメリカ軍の兵士たちは仲間のために戦う姿はやはり心に来るものがありました。観て良かったと思います。

鑑賞日:2023年12月18日
鑑賞方法:Amazon Prime Video
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