いしす

父親たちの星条旗のいしすのレビュー・感想・評価

父親たちの星条旗(2006年製作の映画)
4.1
「硫黄島からの手紙」と同日に鑑賞。

あの有名な摺鉢山に星条旗を掲げた一枚の写真をベースに、現在と当時の戦闘、その前後のストーリーを絡めて交錯させていく創り。

二回目の掲揚の写真だとは知っていたが、ただ単に躍動感を求めて撮り直した位にしか思っていなかった。
政治的な思惑がこの星条旗から繋がっていくことを表す起点になっている。

個人的には翌日に日章旗に揚げ替えられて、また星条旗に戻ったりの下りの史実も挿れて欲しかったが、そうするとこの作品のテーマと違ってしまうだろう。

ザ・パシフィックでも同じ流れがあったが、英雄に祀り上げられて戦時国債ツアーのロビー活動に使われ疲弊していく帰還兵たち。

米国はマンハッタン計画だけでも20億ドル(現在で換算すると日本の国家予算以上)全体ではその6倍の120億ドルをWW2に使っているが、その辺りの戦争=金のリアルさを上手く描いている。

戦争映画をただの娯楽や美化や肯定に使う時代は終わった。
プロパガンダ臭が漂う勧善懲悪な映画が嫌いで実録や史実ばかり追いかけてたが、この映画は違う。
至るところで現実を忠実に公平に淡々と描いていて、正義を信じているアメリカ人が観ても大丈夫かと少し心配になる程だった。

あとエンドロールまで観ることで完全に現実とシンクロするので、最後まで観ることを推奨します。