例の有名な写真の真実を軸に、英雄に祭り上げられ、1枚の写真に翻弄された男たちを描く、硫黄島二部作のアメリカ編。
戦争を描くにあたっての切り口が新鮮で、引き込まれた。
もっと評価されて良い作品だと思うが、太平洋戦争の最激戦地であった「硫黄島の戦い」そのものを期待していた人は肩透かしをくらった気分になるのだろう。
とは言え、冒頭や回想シーンでの戦闘の迫力はかなりのもので、後の欺瞞に満ちた戦時国債キャンペーンの滑稽さを際立たせている。ただ、この茶番劇により、国民の戦意が高揚し、結果として日本の敗戦に繋がるのだから、日本人としては複雑な気持ちになる。
次は日本側から描いた「硫黄島からの手紙」を観たい。
